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新春特集 会社を継いだ経営者に聞く①

更新日:1月17日


 戦後80年を迎え、道内の住宅不動産業界は、成長から成熟のフェーズに入っている。現在は高度成長期を支えた創業世代から、2代目や3代目の社長による経営が増加。先代の教えを受け継ぎつつ、新しい時代のニーズを捉えようと各社とも奮闘している。親族内で承継をした4社の経営者に現状や将来への思いを聞いた。


コスモ建設 高山寿彦社長



地域密着を武器に供給拡大へ


―先代から引き継いだものは。

 一言でいえば「地域密着」の方針だ。当社は1981年に苫小牧で創業し、現在は札幌に本社を移しているが、供給はずっとこの2拠点を軸にしている。札幌や石狩、苫小牧、千歳などの地域に根ざしたハウスメーカーという点は、父の代から変わらず引き継いでいる。

 昨今、苫小牧港近隣やラピダスに沸く千歳市、石狩湾新港などは物流拠点としても重要な場所になっている。図らずも機運はわれわれに向いていると感じる。

 新築戸建市場は年々縮小傾向にあるが、当社は新築住宅にこだわった経営を進める。人が暮らし、ライフステージが変化する中で戸建を求める需要は半永久的にある。その市場で勝負する。


―新たに取り組みたいことは。

 さまざまな需要に応えられる体制をさらに強化する。世帯年収が2極化した現在、建売を求めるファミリーからこだわりの注文住宅を建てたい層まで、幅広いニーズがある。そのため、商品構成を細かく用意して対応している。

 モデルハウスは無人店舗を作らない方針だ。対面接客を基に、地場の工務店として顧客に寄り添うのが当社の方針。社員には接客の際、細やかなヒアリングや丁寧なやり取りを心がけるように呼びかけている。


3-4年後に200棟体制


―将来設計について。

 現在、年間約160棟を供給しているが、3~4年後には200棟体制にまで持っていきたい。特に創業地の苫小牧や千歳でNo.1を獲ることが目標だ。新築を増やしていせば、必然的に既存顧客からのリフォームやリノベーションの受注も増えるだろう。そのためにも今は土地の仕入れなどに力を注ぎ、地道に供給拡大へ取り組む。


―施策や課題は。

 数年前からDX化の推進に取り組んでいるが、かなり効果があった。さらなる効率化に向けて情報の一元管理を図り、無駄を減らして生産性を向上させていく。

 人材確保は中途・新卒の両方で進める。営業、設計など部署を問わず、新しい人が入るとそれだけで社内が活性化する。同時に、今いる人材の質的向上にもつながるだろう。人材確保と育成には引き続き力を入れていく。

 自社保有物件も増やしていきたい。既に札幌市内や千歳市などではRC造の賃貸物件を数保有している。賃貸需要が旺盛な昨今、自社で運営管理する物件を拡大するのも重要と考えている。

 昨今、道外から競合他社が多数上陸している。われわれの強みは地元をよく知るハウスメーカーであること。それを武器に、今後も供給拡大に向けて邁進していく。



(たかやま としひこ) 1976年生まれ。東京の大手マンション販売会社を経て2004年にコスモ建設入社。⑰年から現職。



(第1127号 第1部 1月1日発行 2面より)

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